10日ほど前の大雨では、お隣の熱海市で大規模な土石流が発生し、
今も蒸し蒸しカンカン暑い中
救助活動や元の生活を取り戻すための土砂の撤去作業が行われています。
湯河原町でも至るところで出水があったり、土砂崩れがあったり、倒木があったりしました。
みやかみ幼稚園でも階段や体育倉庫などが水浸しになりました。
「まるで湯河原じゃないみたい」
「昔から住んでるけどこんなの初めて」
コロナのような感染症だけでなく、自然災害も突然やってきて
わたし達の日常を変えていきます。
いつもの風景が一変してしまった事態に心がざわざわしてしまった週末でしたが、
月曜日に元気な子ども達の明るい声や汗が光るお顔を見てやっとホッとしました。
皆さまはお変わりありませんか?
さて、
6月の中頃、一年ぶりにみやかみ幼稚園にあの方がいらしてくれました。
みやかみ幼稚園の心の温泉、臨床心理士の中谷恭子先生です。
この一年、web会議ができるアプリや機会が増え、
遠くにいる人ともいつでも気軽に繋がれるようになりましたが、
やっぱり画面越しで会うのと直接お顔を合わせるのは全然違ったようで、
つい
「きゃ〜!」と大きく手を振ってしまいました。
お顔はもちろんのこと、柔和なお声に纏う空気や息遣い。
会うこと自体にセラピー効果があるかのよう。
そんな中谷さんからみやかみ幼稚園の皆さんに言伝を預かりました。
◆1年ぶりの宮上幼稚園はいかがでしたか
宮上幼稚園のみなさま。一年のご無沙汰でした。
昨年は、未知のウィルスにあたふたしながら、マスクを探し、手洗いうがいに
消毒・・・と、安全な暮らしを守るためにとても大変な思いをしましたね。あれ
から一年、先生方は長引くコロナ禍でもみんなで楽しく遊ぶ方法を沢山見つけ
てくれました。プールではしゃぐ子ども達の姿は、夏の幸せを絵に描いたよう
な風景でした。
と、書き出した文章でしたが、7月3~4日の大雨による甚大な被害のニュ
ースを見てとても心配になりました。みんなは今どんな気持ちで暮らしている
のでしょうか。お山の懐にある幼稚園は大丈夫・・・?
ある日突然、私達の大切な暮らしを襲うもの。人と人との繋がりを分断する
コロナ禍に加えて、生活の場を根こそぎ奪っていく自然災害。
生きていると、嬉しいことや楽しいことは沢山あるけど、こんな風につらい
こともあるのですね。
つらいときに、みんなはどうやって元気を取り戻しますか?
誰にとっても一番大切なことは眠ることです。眠ってこころとからだを休め
ましょう。しっかり休めばまた力が少しずつたまっていきます。
次に大切なことは栄養をとることです。明日のこころとからだを作るのは今
日食べたものです。強くしなやかなこころとからだを作るために、栄養のある
食べものをとりましょう。
もう一つ大切なことは、食べたものを消化して排泄することです。お腹にた
めずにすっきりと出せるからだを作りましょう。
この3つを守って「元気になる力」を育てていきましょう。
◆コロナ禍で子育てに孤独を感じている親御さんに
コロナ禍となって約1年半、感染予防最優先の生活は本当に息が詰まります
。実家に帰れない、子育ての拠点が閉鎖されて自宅に引きこもり、「ワンオペ
育児」でくたくた、等、子育てしている貴方を労う人が居ないのは本当に参っ
てしまいますよね。人は「孤独」に弱い生き物だと思うのです。
そんな時、一番の応援団「宮上幼稚園」を思い出してください。毎朝笑顔で
挨拶を交わすだけでも孤独感は薄らぎます。少しの時間でも先生にお話を聴い
て貰う、連絡帳に自分の気持ちを書いてみる、等でSOSを発信しましょう。
必ず貴方の気持ちを受け止めてくれると思います。
子ども達が明日の社会を作ります。子育ては最も文化的な活動と言えるでし
ょう。幼稚園は子育ての知恵が詰まった豊かな土壌です。家庭と幼稚園を行き
来して積み重ねた経験が子ども達を強くたくましく育てていきます。一人で悩
まないで、身近な支援者を頼りにしてみて下さいね。
◆周りに左右されずに自分の機嫌を取るためには
自分以外の誰か・・・例えば旦那さん、ご両親、兄弟や友人に、自分のご機嫌を
取って貰おうとして(上手く行くこともたまにはありますが)期待した分はぐ
らかされたら腹も立ちますし、イライラの種を増やす事になるでしょう?
気持ちを分かり合うって本当に難しい。だからこそ、自分の機嫌は自分で取り
ましょう。どうすれば機嫌が良くなるか、自分と相談してみて下さい。役割や
肩書きのない素の自分に戻る時間を作りませんか?
◆夏休みに向けて
昨年もお伝えしたことですが、夏に子どもは大きく成長します。
湯河原は山にも海にも恵まれた地域です。その豊かな自然の中で思い切り汗を
かいて遊びましょう。ふるさとの記憶をこころに刻んで、みんな少しずつ大人
になっていきます。家族と共に過ごす夏を、精一杯楽しんで下さいね。
◆最後に一言
また必ず、大好きな宮上幼稚園に遊びに行きます。訪ねる度に、幼稚園の変
わらぬたたずまいに癒やされ、子ども達の成長ぶりに目を見張り、先生方の温
かいまなざしに感動します。宮上幼稚園で育つ子ども達が、健やかで幸せであ
りますように。いつも神戸から祈っています。
中谷 恭子(なかたに きょうこ)
東北大学教育学部教育心理学科卒業、同教育学研究科博士課程前期修了。
総合病院;兵庫県立淡路病院(現淡路医療センター)に18年、精神病院;兵庫県立光風病院(現ひょうごこころの医療センター)に13年勤務後、現在、行政機関;兵庫県立精神保健福祉センターに勤務して2年目。
コロナ宿泊療養者のメンタルヘルス相談や、自殺対策等の施策を担いつつ、生きづらさを抱える人々を理解するための講演会や研修会などを通じて、当事者の暮らす場所や彼らが関わる人との関係をより良いものにしていく活動を続けている。
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